TUOL09  電磁石と電源2  8月9日 国際会議室 11:50 - 12:10
J-PARC-MRアップグレードのための新しい入射セプタム電磁石の開発(2)
The Development of New Injection Septum Magnet for upgrating of J-PARC MR(2)
 
○芝田 達伸(KEK),川口 祐介,中村 健太(ニチコン草津),石井 恒次,杉本 拓也,松本 教之,松本 浩(KEK),Fan Kuanjun(HUST)
○Tatsunobu Shibata (KEK), Yusuke Kawaguchi, Kenta Nakamura (Nichicon), Koji Ishii, Takuya Sugimoto, Noriyuki Matsumoto, Horoshi Matsumoto (KEK), Kuanjun Fan (HUST)
 
J-PARC-MRの速い取り出し用ビームパワーの目標値は750kWである。そのため繰返し周期を1.3秒(1Hz化)にする必要がありMR用入射電磁石の改修が進行中である。本発表ではその内の高磁場セプタム電磁石(以下入射セプタム)のアップグレードについて報告する。現行入射セプタム用電源の出力電流の時間幅は1.5秒あり1Hzに対応していない。電磁石については磁極からの漏れ磁場が大きく大強度ビームには対応できない。そこで電源と電磁石両方の新規製作を行った。新規電源の出力波形の時間幅を0.6秒である。電磁石も漏れ磁場が磁極内磁場の10^-4以下になるように設計した。新電源と新電磁石の製作は2014年に完了した。本来2015年夏にMRに導入予定であったが2015年8月に発生した真空ダクトの真空漏れが原因で導入を1年延期した。真空漏れの原因は真空ダクトとフランジの接続面の構造的欠陥が原因であると判断し、新しい真空ダクトを製作する事にした。一方磁極内BLや漏れ磁場測定を行った。BLの平坦度を10^-5にする電流波形の生成や漏れ磁場を小さくする磁気遮蔽の工夫等を行った。新真空ダクトは真空漏れの原因となった欠陥の対策だけでなく漏れ磁場を小さくするため、それまでSUS製だった周回側の真空ダクトをSUY製にする工夫を導入した。新真空ダクトは2016年3月に完成した。5月下旬から最終的な磁場測定を行い、夏にMRに導入する予定である。本発表では最終試験結果までのまとめを報告する。