MOP137  加速器土木・放射線防護  8月8日 コンベンションホール 13:10 - 15:10
基盤強震観測網KiK-netで得られたILC北上候補サイト周辺の地震動の地表・地下比較
Comparison of earthquake motion between earth's surface and underground observed by strong-motion seismograph networks (KiK-net) around ILC Kitakami candidate site
 
○関根 一郎(戸田建設(株)),早野 仁司(高エネルギー加速器研究機構),吉岡 正和(東北大学),山下 了(東京大学),佐貫 智行(東北大学),汐見 勝彦(防災科学技術研究所)
○Ichiro Sekine (Toda Corporation), Hitoshi Hayano (KEK), Masakazu Yoshioka (Tohoku University), Satoru Yamashita (Tokyo University), Tomoyuki Sanuki (Tohoku University), Katsuhiko Shiomi (NIED)
 
国際リニアコライダー(ILC)は日本への立地が期待されているが、環太平洋造山帯に位置する我が国では地震の影響がILCの建設や運転に問題にならないことを海外へも示していく必要がある。地震の影響については,地下は地震に強いことが経験的に広く知られているが、地表と地下の地震動を比較した事例は少なく、城山発電所、釜石鉱山、瑞浪超深地層研究所など、限られた事例しかないのが実情である。国立研究開発法人防災科学技術研究所では、阪神・淡路大震災の後、全国に地震観測網を配備した。強震観測網KiK-netでは地表と主に地下約−100mに加速度型強震計を設置しており、ILC北上候補サイト周辺にも多くの観測点が整備されている。本報告では、東日本大震災の他、一ノ関市、奥州市、気仙沼市で震度5弱以上を観測した主要な地震を対象に、ILC北上候補サイト周辺の観測点や北上山地の花崗岩類、堆積岩類に設置された観測点で、地表および地下約−100mに設置された地震計によって得られた最大加速度を比較した。その結果、地下では地表に比較して最大加速度が概ね1/5程度であり、花崗岩類では堆積岩類よりも地下では小さな最大加速度を示すことを明らかになった。