MOP121  加速器応用・産業利用  8月8日 コンベンションホール 13:10 - 15:10
遅い取出し法のためのスピル中ビーム飛程変化測定
Time resolved range measurement for the slow beam extraction
 
○早乙女 直也,古川 卓司,水島 康太(放医研),竹下 英里(神奈川県立がんセンター),原 洋介,皿谷 有一,丹正 亮平,白井 敏之,野田 耕司(放医研)
○Naoya Saotome, Takuji Furukawa, Kota Mizushima (NIRS), Eri Takeshita (KCC), Yousuke Hara, Yuichi Saraya, Ryuohei Tansho, Toshiyuki Shirai, Koji Noda (NIRS)
 
ブラッグピーク位置を患部に合わせて照射を行う重粒子線治療では、ビーム飛程の精度が重要となる。放射線医学総合研究所等で使用されている遅い取出し法では、スピル中のベータトロンチューンシフトにより時間的に飛程が変化する可能性がある。そこで、シンチレータとCCDカメラを用いたシステムを使って飛程の時間変化を測定した。このシステムで取得した画像から、ビーム進行方向の輝度分布を作成し、その分布のディスタル領域の最大輝度の80%位置を飛程として定義した。本システムではおよそ170ms毎に測定が可能で、飛程測定精度は0.2mm程度である。複数ビーム強度での スピル中の飛程測定結果より、飛程変化は時間の関数ではなく、リング中の残留粒子数の関数であるということがわかった。本発表ではスピル中の飛程変化測定結果、特にクロマティシティー変化時の飛程変化、プレヒートによる飛程変化対策について報告する。