MOP101  ビームダイナミクス・加速器理論  8月8日 コンベンションホール 13:10 - 15:10
炭素シンクロトロン高周波加速空胴運転制御パターン決定のための粒子トラッキングシミュレーションによる炭素ビーム挙動解析
The analysis of carbon behavior with particle tracking for deciding operation pattern of radio-frequency accelerating cavity in a carbon synchrotron
 
○中島 裕人,えび名 風太郎((株)日立製作所 研究開発グループ エネルギーイノベーションセンタ)
○Yuto Nakashima, Futaro Ebina (Hitachi, Ltd., Research & Development Group, Center for Technology Innovation - Energy)
 
日立ではこれまでに、炭素線治療用シンクロトロンの設計を行ってきた[1]。現在、本シンクロトロンの大阪重粒子線がん治療施設(仮称)への設置に向けた、機器設計及び製作が進められている。本シンクロトロンの加速空胴へ印加する高周波電圧振幅の運転制御パターンとして、高加速効率でC6+ビームを最大430MeV/uまで加速可能なものが必要である。本シンクロトロンは、偏向電磁石の磁束密度の変化ΔBごとにパルスを発生させ、そのパルスに基づき加速周波数を離散的に更新する(Bクロック制御)。ΔBの大きさによっては加速効率の低下が懸念される。従って、Bクロック制御を模擬したビーム進行方向の粒子トラッキングシミュレーションを実施し、加速効率を見積もった。ΔBとしては、当社の従来の陽子シンクロトロンと同じ加速制御機器を用いた場合の最小値を用いた。結果、RFバケットへの粒子捕獲時に最大700V、加速時に最大2300Vを印加するパターンのもとで、最大430MeV/uのビームに対して加速効率95%以上となることを確認した。 [1]F. Noda, T. Yamada, K. Hiramoto, “炭素線治療用小型シンクロトロンの概念設計”, WELH03, Proc. of the 8th Annual Meeting of PASJ, (2011).