MOP085  ビーム診断・ビーム制御  8月8日 コンベンションホール 13:10 - 15:10
ニュースバル可視光モニターラインSR2の改造
Reformation of the visible light monitor line SR2 in NewsUBARU
 
○庄司 善彦(兵庫県立大学)
○Yoshihiko Shoji (University of Hyogo)
 
 ニュースバルの可視放射光ビームモニターラインSR2を改造した。SR2は、逆偏向電磁石と通常偏向電磁石を結ぶラインの延長上にあり、従来は遠隔操作ビデオレンズを付けたカメラで、光源点を視る単純な構造であった。今回の改造では、ラインの特殊性を生かすため、水平と垂直のプロファイルを別のイメージで観測するようにした。SR2は通常の加速器の直線部とは大きく違う特殊な光学パラメーターになっていて、上流の逆偏向電磁石エッジでは水平方向ベータ関数が大きく、下流の通常偏向電磁石エッジでは垂直方向ベータ関数が大きい。この特徴を生かすため、スプリットした可視光を別々にフオーカスさせ、それぞれのエッジのビームプロファイルを同時観測できるようにした。上流は水平ビームサイズ、下流は垂直ビームサイズを測定するプロファイルであり、カップリングによる傾きも確認できる。共通の遠隔操作NDフィルターに加え、上流ラインには水平偏光、下流ラインには垂直偏光フィルターを設置し、多少とも分離を改善した。加えて、真空内初段ミラーの熱変形を補償するために、焦点カメラを可動式にしている。ニュースバルではこういった装置改善用予算がほとんどなく、既存の余剰品を組み合わせることで改造を実現した。長波長では干渉したエッジ放射を期待できるが、今回の改造では考慮する余裕は無かったので、観測していない。