MOP080  ビーム診断・ビーム制御  8月8日 コンベンションホール 13:10 - 15:10
エネルギースキャニング照射のためのビームQA
QA PROCEDURE FOR ENERGY SCANNING IRRADIATION AT NIRS-HIMAC
 
○橋崎 慎平(加速器エンジニアリング),古川 卓司,原 洋介,水島 康太,早乙女 直也,丹正 亮平,皿谷 有一(量子機構放医研),勝間田 匡,三好 智広,立川 裕士(加速器エンジニアリング),高田 栄一(量子機構放医研)
○Shinpei Hashizaki (AEC), Takuji Furukawa, Yousuke Hara, Kota Mizushima, Naoya Saotome, Ryohei Tansho, Yuichi Saraya (QST/NIRS), Masashi Katsumata, Tomohiro Miyoshi, Yuji Tachikawa (AEC), Eiichi Takada (QST/NIRS)
 
放医研では、2011年から新治療研究棟において、三次元スキャニング治療を行ってきた。これまでは、加速器の可変エネルギー運転とレンジシフタ(RSF)を組み合わせてビーム飛程を変化させる照射方式(ハイブリッド方式)を適用してきた。2015年秋より、さらなる高精度な治療のため、使用するエネルギーを11ステップから200ステップ以上に増やし、可変エネルギー運転のみで飛程を変えるエネルギースキャニング照射方式での治療を行っている。 日々の治療を安定して行うためには、定期的にビームに関するQuality Assurance(QA)を実施する必要がある。ビームQAにはビーム自体の健全性や照射装置の動作確認のために、日次・月次・半年毎に実施する項目が分かれているが、エネルギースキャニング照射方式による治療を開始するにあたり、従来実施していたQA内容では網羅できない項目があった。また、治療で使用するエネルギーステップが約20倍に増えたことから、QAに費やす時間が大幅に増加し、治療運用への支障が懸念された。そのため、従来のQAと同程度の作業時間と品質を確保しつつ、エネルギースキャニング照射方式に対応した新たなQAが必要となった。 本発表では、エネルギースキャニング方式への変更における、ビームに関するQAの紹介とその運用状況ついて報告する。