MOP071  光源加速器  8月8日 コンベンションホール 13:10 - 15:10
赤外自由電子レーザーによるアト秒・ゼプト秒X線発生
Generation of atto- and zepto-second X-ray pulses from infrared FEL oscillators
 
○羽島 良一,永井 良治(量研機構)
○Ryoichi Hajima, Ryoji Nagai (QST)
 
超短パルスレーザーをガス中に集光することで発生する高次高調波(High Harmonics Generation; HHG)は、VUVから軟X線領域における超短パルス発生技術として研究が進んでおり、すでに、アト秒パルスの生成が実現している。HHGでは、ターゲットガス中における入射レーザーと高調波の位相速度を合わせることが必要であるが、高調波の次数が大きくなるにつれて、 位相整合が難しくなることが、HHGの短波長化の妨げの一つとなっている。 位相整合条件で決まるHHG短波長化の限界は、入射レーザー波長の1.7 乗に比例することがわかっていることから、中赤外(4-μm以上)の数サイクルレーザーパルスが望まれている。JAEA-FELでは、波長22μmにおいて、2.32サイクルのレーザーパルスを発生した実績がある。これは、高ゲインかつ低共振器損失のパラメータ領域で発現するFEL発振(完全同期長発振)によるものである。本技術を応用すれば、高次高調波の限界をVUVから軟X線、さらに硬X線の領域に拡大できる可能性があり、この時のパルス長はアト秒からゼプト秒となる。本発表では、中赤外において1-2サイクルのFELパルスを発生するための装置の設計例を示す。