MOP068  光源加速器  8月8日 コンベンションホール 13:10 - 15:10
観測の観点からみたエッジ放射の一般的特性についての検討
Investigation of general properties of edge radiation in viewpoint of observation
 
○江田 茂,高林 雄一,金安 達夫,岩崎 能尊(九州シンクロトロン光研究センター)
○Shigeru Koda, Yuichi Takabayashi, Tatsuo Kaneyasu, Yoshitaka Iwasaki (SAGA-LS)
 
エッジ放射は、二つの偏向磁石に挟まれた直線部を高エネルギー電子が通過する際に発生する長波長域の放射である。偏向電磁石の放射光が長波長極限において波長の3乗根に比例して放射角が増大するのとは対照的にエッジ放射は1/γ領域に集中する。非常に単純な磁石配置にも関わらず高い輝度を持つ興味深い放射現象である。SAGA-LS蓄積リング直線部LS8における可視域のエッジ放射の観測実験において、paraxial近似によるエッジ放射理論によってその基本的放射特性が見通しよく簡便に理解できることがわかってきた。この近似ではエッジ放射が直線部の各微小区間からの電場の足し合わせとして表現され、エッジ放射は端部ではなく、区間から放射されると解釈される。エッジ放射は、観測波長をλとした時、直線部においてλγ^2という特徴的スケールが存在し、これに対する直線部長さの大小がエッジ放射の放射特性を決定する。この特徴的スケールの観点から空間分布等の観測される放射の性質を整理し、SAGA-LSでの観測実験の結果に加え、SAGA-LSとは異なったより広い条件(赤外、THz領域)でのエッジ放射観測についても検討する。