MOP055  レーザー  8月8日 コンベンションホール 13:10 - 15:10
レーザーコンプトン散乱ガンマ線(LCS-ガンマ線)による偏光軸に対する中性子の放出角度分布の測定
Neutron emission distribution dependence on polarization with LCS γ-ray
 
○武元 亮頼,山口 将志,杉田 健人,橋本 智,天野 壮(兵庫県立大 高度研),早川 岳人(量子科学技術研究開発機構),浅野 芳裕(理化学研究所),糸賀 俊朗(高輝度光科学研究センター),佐波 俊哉(高エネルギー加速器研究機構),宮本 修治(兵庫県立大 高度研)
○Akinori Takemoto, Masashi Yamaguchi, Kento Sugita, Satoshi Hashimoto, Sho Amano (LASTI univ. of Hyogo), Takehito Hayakawa (QST), Yoshihiro Asano (RIKEN), Toshiro Itoga (JASRI), Toshiya Sanami (KEK), Shuji Miyamoto (LASTI univ. of Hyogo)
 
NewSUABRU放射光施設にあるレーザーコンプトン散乱ガンマ線(以下LCS-ガンマ線と表記する)ビームラインでは電子ビームのエネルギーやレーザーの波長を変えることにより最大エネルギーが1.7~76MeVのγ線ビームを生成できる。このLCS-ガンマ線は中心軸からの角度にエネルギーが依存しているのでコリメータを設置することにより、準単色のガンマ線が得られる。また、レーザーの偏光を高い割合で保存するのでレーザーの偏光を変えることによってLCS-ガンマ線の偏光も簡単に変えることができる。この実験ではNewSUBARUをシングルバンチモードで運転し、電子ビームに同期した直線偏光のパルスレーザーを蓄積リングに入射することで周期的にLCS-ガンマ線を発生させ、そのLCS-ガンマ線をターゲットに照射することによって光核反応を起こさせた。この時、光核反応と同時に一部のガンマ線が電子により散乱される。この中性子と散乱ガンマ線をプラスチックシンチレータで計測し、TOF法により中性子と散乱ガンマ線の信号を分別することで、偏光軸に対する中性子の放出角度分布を計測した。前回はターゲットとしてAu,Ag,Yを使い、巨大双極子核共鳴(GDR)における中性子の放出角度分布を計測した。今回はベリリウムターゲットを使いクラスター双極子核共鳴(CDR)における角度分布の計測を予定している。電子ビームのエネルギーを変化させることでLCS-ガンマ線のエネルギーを変え共鳴させようとしている。