MOP053  レーザー  8月8日 コンベンションホール 13:10 - 15:10
レーザーコンプトン光源のための自発共鳴型光共振器のモードロックパルス発振
Mode-locked pulse oscillation of self-resonating optical cavity for laser-Compton photon sources
 
○保坂 勇志(早大理工研),上杉 祐貴(東北大多元研),本田 洋介,小菅 淳,大森 恒彦,浦川 順治(高エネ研),高橋 徹(広大院先端研),坂上 和之(早大高等研),鷲尾 方一(早大理工研)
○Yuji Hosaka (RISE, Waseda University), Yuuki Uesugi (IMRAM, Tohoku University), Yosuke Honda, Atsushi Kosuge, Tsunehiko Omori, Junji Urakawa (KEK), Tohru Takahashi (Hiroshima University), Kazuyuki Sakaue (WIAS, Waseda University), Masakazu Washio (RISE, Waseda University)
 
レーザーコンプトン光源は、レーザーと電子ビームのレーザーコンプトン散乱によるX線・γ線を利用した光源である。生成されたX線・γ線は波長選択性や偏光調整の容易さなどの利点を有しており、輝度が低いという問題を解決できれば優れたX線・γ線源として利用可能である。輝度を高めるには光共振器を構築しパルスレーザーを高増大率で蓄積させピークパワーを上昇させることが重要であるが、通常の光共振器で高増大率を実現するにはpm以下の精度で制御された高剛性光共振器の構築が必要であり、技術的な問題となっていた。 自発共鳴型光共振器はこの問題に対する新しい解決法である。自発共鳴型光共振器は、光共振器の透過光を増幅し再度の光共振器に入射するレーザー発振器であり、光共振器の共振条件を満たす波長の光のみが自発的に周回する機構となっている。通常の光共振器であれば高精度の共振器長制御が必要だが、自発共鳴型では光学系が共振波長を自発的に選択するため制御が不要となる。本発表では自発共鳴型光共振器のパルス発振試験について主に紹介する。 現在、光ファイバー中での非線形偏波回転現象を用いて受動モードロックパルス発振を試みており、不安定ではあるが自発共鳴型光共振器のモードロックパルス発振に成功している。本発表では波長スペクトル、パルス幅測定、共振器の増大率、蓄積パワー測定等、測定結果を交えながら進捗報告を行う。