MOP038  高周波源  8月8日 コンベンションホール 13:10 - 15:10
STFにおけるILC建設に向けた大電力RF分配系構築の現状
Status of RF Power Distribution System Construction for ILC in STF
 
○花香 宣彦,石本 和也,沼田 直人,安 和彦(日本アドバンストテクノロジー),明本 光生,荒川 大,江木 昌史,片桐 広明,竹中 たてる,中島 啓光,福田 茂樹,松下 英樹,松本 利広,三浦 孝子,道園 真一郎(KEK)
○Norihiko Hanaka, Kazuya Ishimoto, Naoto Numata, Kazuhiko Yasu (NAT), Mitsuo Akemoto, Dai Arakawa, Masato Egi, Hiroaki Katagiri, Tateru Takenaka, Hiromitsu Nakajima, Shigeki Fukuda, Hideki Matsushita, Toshihiro Matsumoto, Takako Miura, Shinichiro Michizono (KEK)
 
KEKつくばSTF棟では、ILC(国際リニアコライダー)建設に向けた試験施設としてSTF2加速器の構築が進められている。STF2加速器は、ビーム上流よりフォトカソードRF電子銃(常伝導空洞1台)、キャプチャークライオモジュール(超伝導空洞2台)、CM1クライオモジュール(超伝導空洞8台)、CM2aクライオモジュール(超伝導空洞4台)で構成され、これらの空洞へ1.3 GHz高周波パルス(幅1.65ms, 繰り返し5Hz)を安定に供給をする高周波源を構築する必要がある。現状としては、2基のクライストロンから3台のクライオモジュールへ、Lバンド導波管等を配置した大電力分配系の構築が終了し、2016年9月からの超伝導空洞の試験運転に向けた準備を進めている。各クライオモジュール直近では、ILCのTDR(技術報告書)に準拠したLPDS(局所電力分配系)を構築し、各空洞(計12ヶ所)の入力カップラーまで高周波を供給する構成を採用した。このLPDSは、各空洞への高周波の分配比とその移相量がリモートで調整可能なものである。この大電力分配系の構築において、特にクライオモジュール付近では、限られたスペースと既設機器への干渉を考慮する必要があり、また、入力カップラー間の距離を基準にLPDSを正確に配列して導波管を組込むことが難しく、更にメンテナンス性も踏まえると非常に困難な作業となった。今回の得られた構築技術の紹介やILCに向けた大電力分配系構築についてポイントを紹介する。