MOP030  高周波源  8月8日 コンベンションホール 13:10 - 15:10
Cバンド大電力3ポートサーキュレータの設計・製作
DEVELOPMENT OF A C-BAND 3-PORT CIRCULATOR
 
○金田 健一,水島 弘二,田辺 英二(株式会社エーイーティー),豊川 弘之(産総研)
○Kenichi Kaneta, Hiroji Mizushima, Eiji Tanabe (AET Inc.), Toyokawa Hiroyuki (AIST)
 
産総研殿の950keV非破壊検査装置の小型化を実現するために5.3GHz帯Cバンド大電力3ポートサーキュレータの開発を行った。当初、ピーク電力600kW、平均電力600Wの出力が可能なマグネトロンのアイソレータとして海外製3ポートサーキュレータを採択したが、大電力試験中に非線形効果が確認された。調査を行ったところ海外製サーキュレータはBelow Resonanceで設計されていた。緊急措置として4ポートサーキュレータで後方散乱X線試験を行っていただくことになったが、4ポートサーキュレータのサイズは3ポートサーキュレータの倍以上あり、装置の小型化に大きな支障を生じる。今回開発したサーキュレータは放電を抑えるためにフェライト間隔を広げ、非線形効果を避けるためにAbove Resonanceで設計している。サイズは海外製3ポートサーキュレータより小さく設計した。VSWR1.1以下の帯域は48MHzとなるが、狭帯域である加速器等の装置で使用する限り問題ない。Calcium Vanadiumドープのフェライトを選択し、挿入損失が0.1dB以下となるよう設計した。フェライトは水冷方式を採用して温度特性変化を抑えながら使用する。動作周波数5.3GHz、ピーク出力600kW、 平均出力600Wのマグネトロンを使用した大電力試験で動作を確認した。またショート板を用いた負荷側が完全反射した場合の大電力試験も実施している。本論文ではシミュレーション結果から設計製作、大電力試験について報告する。