MOP017  高周波加速空胴  8月8日 コンベンションホール 13:10 - 15:10
Large Grainニオブを用いた9セル超伝導加速空洞の製造と評価
Fabrication and Evaluation of SRF 9-Cell Cavity Made of Large Grain Niobium
 
○道前 武,梅森 健成,渡辺 勇一,井上 均,山中 将(KEK)
○Takeshi Dohmae, Kensei Umemori, Yuichi Watanabe, Hitoshi Inoue, Masashi Yamanaka (KEK)
 
超伝導加速空洞の開発に於いて、空洞表面の発熱を抑えることは一つの重要な課題である。特に無変調連続波を扱う空洞では、空洞表面での発熱が冷凍機システムに与える負荷が大きいため、これを抑えることが冷凍機システムの規模及び運転コストの軽減につながる。この空洞表面での発熱を抑える手段の一つとして、空洞の素材にLarge Grain(LG)材と呼ばれる大きな結晶を持ったニオブ材を用いる方法がある。LG材を用いることによって高いQ0値が得られ、結果として空洞表面での発熱を抑えることが出来ると期待されている。 KEKの空洞製造技術開発施設では2013年にLG材を用いた1セル空洞をニオブの板材をプレスする工程から電子ビーム溶接まですべてを施設内のみで行い完成させた。その後の縦測定では高いQ0値を得ている。この結果を受け、2015年にはLG材を用いた9セル空洞の製造を開始し、2016年2月に完成した。その後、空洞内部の表面処理を行い、縦測定を行った結果、通常の材質を用いた9セル空洞より高いQ0値を得る事が出来た。 本研究ではこのLG材を用いた9セル空洞の製造過程及び縦測定の結果に関して発表を行う。