IPP002  革新的加速器技術(の提案)  8月8,9日 コンベンションホール 13:10 - 15:10
チューンに依存しない線型、非線形および結合共鳴の生成
Tune Free Linear, Non-linear and Coupling Resonance Excitation
 
○中村 剛(高輝度光科学研究センター)
○Takeshi Nakamura (JASRI)
 
蓄積リングにおける共鳴は、通常、ベータトロンチューンやシンクロトロンチューンがある一定の条件を満たす際に発生する。但し、線型共鳴ではAC駆動のキッカーによるチューンによらない整数共鳴の励起が用いられており(RFKO法)、KEKではAC4極磁石による半整数共鳴励起が試験された。また、最近、AC励起源によるチューンによらない線型の結合共鳴が著者により提案された[1,2]。これに対して、ビームの入出射などに応用されている非線形共鳴についてはこれまでチューンを共鳴条件に設定し、かつラティス構成要素を励起源とすることにより励起されてきたが、これらについても励起源をAC駆動とすることにより、チューンによらずに励起する方法を提案する。この手法では、励起源をラティス要素から独立させることができるので、その強度や時間依存性を自由に設定することが可能となる。また、3次や4次共鳴、および水平・垂直結合などの異なる共鳴を同時に励起することが可能となる。これらはたとえば入射の垂直方向の空間への拡張などの可能性をもたらす。このような手法についての議論いただければ幸いである。 [1]中村剛、日本物理学会第68回年次大会 (2013)、[2] 第10回加速器学会年会(2013)