FSP028  施設現状報告ポスター  8月8,9日 コンベンションホール 13:10 - 15:10
J-PARC加速器の現状
Status of J-PARC Accelerators
 
○長谷川 和男,金正 倫計,小栗 英知,山本 風海(原子力機構),内藤 富士雄(KEK)
○Kazuo Hasegawa, Michikazu Kinsho, Hidetomo Oguri, Kazami Yamamoto (JAEA), Fujio Naito (KEK)
 
J-PARCでは2015年の夏季メンテナンス終了後、加速器の立ち上げや調整を経て、10月中旬からハドロン実験施設(HD)と物質・生命科学実験施設(MLF)の利用運転を再開した。HDでは、夏前までのメインリング(MR)の繰り返し周期6.0秒から5.52秒に短縮し、12月には42kWのビームパワー(4月の運転開始時は24kW)まで向上した。1月にはリニアックのピーク電流を40mAに変更し、この条件で利用運転に向けた調整を、リニアック、3GeVシンクトロン(RCS)、MRで行った。それまでの利用運転は30mAであったが、更に強度を上げやすくするためである。この結果、2月のニュートリノ実験施設(NU)の利用運転を330-360kW(30mA時は300-330kW)で開始し、その後の調整により390kWに向上し、5月下旬までの予定で供給している。それ以降は6月末までHDに供給する予定である。MLFは500kWで利用運転を行っていたが、11月20日に標的の不具合により運転を停止し、予備の標的に交換して2月20日に利用運転を約200kWで再開した。2015年秋以降、主な加速器の不具合として、漏電によるリニアックの換気システムの停止、RCSのコリメータ部での真空リーク、MRの偏向電磁石の故障などがあり、2015年度全体の稼働率として、NU向けで約70%、HD向けで約86%であった。