FSP005  施設現状報告ポスター  8月8,9日 コンベンションホール 13:10 - 15:10
神奈川県立がんセンターにおける重粒子線治療の現状
Progress Report of Carbon Therapy in KCC
 
○竹下 英里,蓑原 伸一,草野 陽介,山田 聰(神奈川県立がんセンター),古川 卓司,水島 康太,原 洋介,早乙女 直也,丹正 亮平,皿谷 有一,野田 耕司(放射線医学総合研究所)
○Eri Takeshita, Shinichi Minohara, Yohsuke Kusano, Satoru Yamada (Kanagawa Cancer Center), Takuji Furukawa, Kota Mzushima, Yousuke Hara, Naoya Saotome, Ryohei Tansho, Yuichi Saraya, Koji Noda (National Institute of Radiological Sciences)
 
神奈川県立がんセンター(KCC)では2005年に重粒子線治療装置の導入が決定し、約10年後の2014年10月に重粒子線治療施設(i-ROCK)が竣工を迎えた。i-ROCKはKCC病院棟に隣接しており、光子線治療を含め外科的切除や化学療法を交えた、患者毎に最適かつ総合的ながん治療を提供する場として県内外から注目を集めている。2015年12月には臨床試験としての治療を開始し、翌2016年2月からは先進医療での治療照射を始めた。現在までに約40例の前立腺がん治療を行うとともに、2016年4月から新たに保険適用となった骨軟部腫瘍に対する治療もつい先日から開始した。現在は、治療室2(水平/垂直コース)および治療室1(水平コース)を用いて治療を行っているが、残る治療室3および治療室4についても来年度初頭の稼働を目指し装置コミッショニングを実施中である。肺や肝臓などの呼吸性移動をともなう部位については、患者の呼吸波形に同期して照射する、いわゆる呼吸同期照射を採用する。呼吸同期照射では、呼吸波形の取得手法や、治療計画時にその動き量をマージンとしていかに考慮するかなど、さまざまなシステムを含んだ総合的なコミッショニングが必要となる。本会では、これらコミッショニング結果を示すとともに施設の現状報告を行う。