FSP004  施設現状報告ポスター  8月8,9日 コンベンションホール 13:10 - 15:10
群馬大学重粒子線医学センターの現状報告
Present Status of Gunma University Heavy Ion Medical Center
 
○想田 光,菊池 遥(群大重医セ),藤本 哲也(加速器エンジニアリング),遊佐 顕,田代 睦,島田 博文,松村 彰彦,久保田 佳樹,金井 達明,取越 正己(群大重医セ)
○Hikaru Souda, Haruka Kikuchi (GHMC), Tetsuya Fujimoto (AEC), Ken Yusa, Mutsumi Tashiro, Hirofumi Shimada, Akihiko Matsumura, Yoshiki Kubota, Tatsuaki Kanai, Masami Torikoshi (GHMC)
 
群馬大学重粒子線医学センターでは、普及型炭素線治療装置による最大400MeV/uの炭素ビームを用いて2010年3月から癌患者に対する治療照射を行い、2016年4月までに累計2021名の治療を遂行した。2015年6月には、厚生労働省から先進医療の安全性点検に関する要請に基づき、2週間の集中的な点検期間において、加速器系電源の動作試験・インターロック試験などの点検を行った。治療装置の運転状況は、1日単位で治療が停止するようなトラブルはなく、概ね順調に稼働している。加速器系の不具合としては、2015年前半から全エネルギーで徐々にシンクロトロンでの捕獲効率が低下し、荷電変換薄膜の交換を行い強度を回復した。取り外した薄膜の使用期間は1年9ヶ月と短かったため、今後て定期的な点検を予定している。また、2014年度以降放電が増加したイオン源について磁場の局所的低下が測定されたため、2016年3月に予備機であるテストスタンドの永久磁石と交換を行った。RF印加時以外のベース電流はやや高いものの、交換後2ヶ月は特に放電の増加なく運転できている。実験運用については、2015年8月には140MeV/uモノピークでの生物実験照射を実用化した。また140,290,400MeV/uでのRF knock outによる取り出しの試験を行い、出射中のエネルギー・ビーム位置変動を抑え、リップルを低減したビームの出射に成功した。リップルの大きさは、平均電流に対する標準偏差で評価して57%から24%まで低減できた。