WEP087  加速器技術/ビーム診断・制御  8月5日 小ホール 13:00 - 15:00
SAGA-LS電子蓄積リング加速過程のオプティックス評価
Estimation of Optics Functions in Ramp-up Period at the SAGA-LS Electron Storage Ring
 
○岩崎 能尊,高林 雄一,金安 達夫,江田 茂(九州シンクロトロン光研究センター)
○Yoshitaka Iwasaki, Yuichi Takabayashi, Tatsuo Kaneyasu, Shigeru Koda (SAGA Light Source)
 
SAGA Light Source (SAGA-LS)電子蓄積リングは現在、最大で約340 mAの入射・加速・貯蔵を行っている。入射エネルギーは255 MeVであり、約4分間で1.4 GeVまで加速を行う。蓄積電流の増加、加速時間の短縮、あるいは新しい動作点での入射・加速・貯蔵を行うために、加速過程におけるオプティックスを、軌道応答行列解析の手法を用いて評価した。軌道応答行列解析によるチューン計算値は概ね測定値を再現し、その差は水平・垂直方向各 (0.019, 0.026) 以下であった。これは、加速過程におけるチューン変動幅に比べて十分に小さい。軌道応答行列解析の手法を用いることで、任意のエネルギーにおけるオプティックス制御の精度が向上した。今後、よりビームが安定した電磁石励磁パターンの構築が可能となり、加速途中におけるビームロス等の原因解明が期待される。