WEP057  加速器技術/高周波加速空胴  8月5日 小ホール 13:00 - 15:00
クライオ光陰極高周波電子銃用高周波空洞のための電磁界シミュレーション
Simulation of Electromagnetic Field for 20K Cooled Photocathode RF Gun
 
○中尾 圭佐,田中 俊成,境 武志,野上 杏子,稲垣 学(日大量科研),高塚 健人,長島 涼子(日大理工学研究科),早川 建,早川 恭史(日大量科研),高富 俊和,福田 将史,吉田 光宏,照沼 信浩(高エネ研)
○Keisuke Nakao, Toshinari Tanaka, Takeshi Sakai, Kyoko Nogami, Manabu Inagaki, Kento Takatsuka, Ryoko Nagashima, Ken Hayakawa, Yasushi Hayakawa (LEBRA, Nihon University), Toshikazu Takatomi, Masafumi Fukuda, Mitsuhiro Yoshida, Nobuhiro Terunuma (KEK)
 
日本大学電子線利用研究施設(LEBRA)では、2013年度より、絶対温度20Kで動作する、クライオ光陰極高周波電子銃の開発を進めている。2013年度に高純度6N8銅材を用いてCバンド2.6セルピルボックス型試験空洞を作成し、常温及び低温(21K)における低電力RF特性の測定を行った。その結果、設計に用いた電磁界シミュレーションコードSUPERFISHで計算した結果と良く一致することが確かめられた。 また2014年度には、大電力試験を見据えたRF入力カプラ付き低電力試験用空洞を作成した。この空洞の常温における低電力試験では、共振周波数が計算値と比して600kHz程度低くなったものの、結合係数およびQ値は概ね一致した。しかし、無酸素銅で作成されたピルボックス型空洞の液体窒素温度における大電力試験で、ピーク磁場強度が1000ガウス程度より大きくなると、Q値が下がることが報告されている。そこでQ値の低下を防ぐ対策として、空洞表面の磁場強度を低減した空洞の検討を行っている。本発表では、この空洞のSUPERFISHを用いたシミュレーションの結果を報告する。 本研究は、文部科学省「光・量子融合連携研究開発プログラム」の「小型加速器による小型高輝度X 線源とイメージング基盤技術開発」の支援を受けて行われた。