WEP052  加速器技術/高周波加速空胴  8月5日 小ホール 13:00 - 15:00
薄膜超伝導体のRF臨界磁場を計測する試験空胴の設計研究
Design study of test cavity for measurement of RF critical magnetic field of thin layer superconductor
 
○及川 大基,東口 武史(宇都宮大学),早野 仁司(高エネルギー加速器研究機構)
○Hiroki Oikawa, Takeshi Higashiguchi (Utsunomiya University), Hitoshi Hayano (High Energy Accelerator Research Organization (KEK))
 
500GeVの衝突エネルギーで電子陽電子衝突実験をする計画のILCにおいては,その先の将来計画で1TeVまでアップグレードする.その時には,45MV/m以上の高加速勾配を持つ超伝導空胴を使用する.高加速勾配を得る方法の一つとして,ロンドン侵入長に近い多層薄膜超伝導体を用いて空胴内表面の見かけのRF臨界磁場を上げる方法が提案されている.超伝導体薄膜層と絶縁層とを交互に配置した多層膜構造を空胴内面に生成することで,さらに臨界磁場を向上させることができると考えられている.これを実証するためにNbサンプルの表面に超伝導体薄膜を生成し,そのサンプルを極低温まで冷却し,RF臨界磁場を計測できる評価システムが必要である.RF臨界磁場を計測するために,マイクロ波空胴を使用する.そのようなマイクロ波空胴内にサンプルを設置し,サンプルの冷却が可能で,サンプル表面には強い並行RF磁場が立つように設計する必要がある.形状としてSLACの先行研究に使われたマッシュルーム型空胴を使用する.本研究ではそのような試験空胴の設計について報告する.