WEOM04  高周波加速空胴  8月5日 あいあいホール 16:10 - 16:30
異なる材質と工法で製造された超伝導加速空洞の性能評価
Evaluation of SRF cavities manufactured by different materials and fabrication methods
 
○清水 洋孝,井上 均,梅森 健成,加古 永治,佐伯 学行,山口 誠哉,山中 将,渡辺 勇一(高エネ研)
○Hirotaka Shimizu, Hitoshi Inoue, Kensei Umemori, Eiji Kako, Takayuki Saeki, Seiya Yamaguchi, Masashi Yamanaka, Yuichi Watanabe (KEK)
 
高エネルギー加速器研究機構において現在行っている、試験空洞の製作とその評価の取り組みについて報告する。Nb材を用いた超電導加速空洞の製作においては、純度の目安となる残留抵抗比が高く(>250)、細粒と呼ばれる小さい結晶粒(50〜150um)を持つNb材を、電子ビーム溶接機を用いた溶接によって組み上げる手法が一般的である。KEKでは、空洞製作用に導入された電子ビーム溶接機と、機械工学センターが所有する他の工作機器を用いる事によって、上述の方法に則ったTESLA-like型9-cell空洞の製作に成功しているが、空洞開発技術の更なる高度化を目指して、用いるNbの材質や、作製方法の異なる5種類の試験空洞について、縦測定による性能評価までを含めた開発研究を行っている。現在開発と評価を進めている空洞を具体的に挙げると、電子ビーム溶接によるセルの整形に頼らず、液圧整形法によって形状を製作する空洞と、電子ビーム溶接法を用いるが、主にNb材の特徴の比較に主眼を置いた4種類の空洞に大別される。4本の空洞のそれぞれの目的としては、高RRRであり且つ大粒(〜10cm)のNb材を使った空洞製作、供給元が異なる細粒・高RRR材を使った比較、大粒ではあるがRRRの値が低い(〜100)Nb材を使った空洞製作となっている。これらの空洞作製についての詳細を、これまでに得られた縦測定からの結果を交えて報告する。