WEOLP02  合同セッション  8月5日 大ホール 10:30 - 11:00
J-PARC 加速器のビーム強度の増強
Progress of Beam Intensity in the J-PARC Accelerators
 
○長谷川 和男(J-PARCセンター、JAEA&KEK)
○Kazuo Hasegawa (J-PARC Center, KEK&JAEA)
 
J-PARC では2014 年の夏季停止期間中、リニアックのピーク電流を30mA から50mA に増強するため、新たに製作し・テストスタンドで試験を行った高周波駆動型イオン源と高周波4重極型リニアック(RFQ)への入れ替えを行った。3GeV シンクロトロン(RCS)では入射バンプ磁石電源の改修を行い、バンプ軌道を安定にした。その後リニアックとRCSの調整を進め、2015 年1 月10 日、1パルスあたり8.41X1013 個の陽子数(25Hz 運転時には、所期性能である1MW に相当する)の試験に成功した。ビーム試験と利用運転の経験を重ねて徐々にビームパワーを向上させ、物質・生命科学実験施設の利用運転時における出力を、入れ替え前の300kW から500kW まで向上させた。メインリングでは、速い取り出しにおける横方向の不安定性の抑制やベータトロン共鳴の補正などによりビームロスの抑制を図り、2 月に260kW から320kW へパワーを向上するなど、順調に調整や運転を行い、3 月26 日にはニュートリノターゲットへ供給した陽子数が1x1021 個を超えた。また、2013 年5 月23 日に発生したハドロン実験施設における放射性物質漏えい事故により当該施設の運転を停止していたが、再発防止策や安全管理の強化を図り、4 月24 日に利用運転 を再開した。ここでは、J-PARC 加速器におけるビーム強度の増強や安全管理の強化について報告する。