WEOLP01  合同セッション  8月5日 大ホール 10:00 - 10:30
若狭湾エネルギー研究センターの加速器施設の開発と応用
The development and application of accelerator system at The Wakasa Wan Energy Research Center
 
○羽鳥 聡,栗田 哲郎,林 豊,山田 裕章,高城 啓一,久米 恭(若狭湾エネルギー研究センター),安田 啓介(現所属、京都府立大学),石神 龍哉,辻 宏和(若狭湾エネルギー研究センター)
○Satoshi Hatori, Tetsuro Kurita, Yutaka Hayashi, Hiroaki Yamada, Keiichi Takagi, Kyo Kume (The Wakasa Wan Energy Research Center), Keisuke Yasuda (Present affiliation, Kyoto Prefectural University), Ryoya Ishigami, Hirokazu Tsuji (The Wakasa Wan Energy Research Center)
 
 福井県は3.11以前は関西の電力の半分強をまかなうエネルギー供給県であり、その9割は若狭湾地方に集中する商業原子炉による原子力発電である。このような特色を活用し、エネルギー関連技術や地域産業への応用技術の研究、研修などを目的として、1994年財団法人(現在は公益財団法人)若狭湾エネルギー研究センター(エネ研)が設立された。1998年には研究施設である福井県若狭湾エネルギー研究センターが開所し、その運営・管理を行っている。  エネ研の研究開発の一つに加速器から得られる荷電粒子線(イオンビーム)の利用研究がある。そのために施設開所と同時に加速器システムの建設を開始した。システムは二つの負イオン源、高周波整流型5MVタンデム加速器とタンデム加速器を入射器とする200MeV陽子シンクロトロンおよびそれぞれの加速器ビームを用いるビームライン群からなる。  近年のタンデム加速器ビーム利用に関しては、イオンビーム分析技術開発が精力的に行われ、水素やLiなどの軽元素分析技術の向上やマイクロビームを用いた元素分析利用が著しい。シンクロトロンからの陽子ビームは人体の厚み程度の飛程をもつことから、がん治療の臨床研究が行われてきた。生物照射研究も盛んに行われているが、近年、宇宙機に搭載される機器の耐放射線性能や動作状況の評価にも用いられている。  本論文ではエネ研の加速器システムの構成、開発、その応用について紹介する。