WEOL07  ビームダイナミクス・加速器理論  8月5日 大ホール 17:20 - 17:40
シンクロトロンからのビーム取り出し(QAR法)におけるスピルFB・FF制御の研究
STUDY ON SPILL FEEDBACK AND FEEDFORWARD CONTROL FOR A SLOW BEAM EXTRACTION METHOD (QAR) FROM A SYNCHROTRON
 
○村岡 遼,中西 哲也(日本大)
○Ryo Muraoka, Tetsuya Nakanishi (Nihon Univ.)
 
重粒子線がん治療装置におけるスポットスキャニング照射への適用を目的に、パルス四極電磁石(PQ)と高周波ノックアウト(RFKO)装置を使ったビーム取り出し方法(QAR法)の開発を行っている。この方法はPQだけで取り出し制御を行うため、高速で精度の良いビーム取り出しが期待できる。 QAR法は要約すると以下の通りである。PQでセパラトリクスを収縮させることによりセパラトリクスの境界付近にあるビームを必要量取り出す。その後PQをゼロにして、RFKO装置で周回ビームを拡散させることで取り出されたビームが存在していた領域を埋める。これらの操作を繰り返し行うことで、シンクロトロン内のビームを取り出していく。 本研究は、一回に取り出されるビーム(スピル)の強度を一定にするためのPQのフィードバック(FB)制御と、FB制御を効果的にするためのフィードフォワード(FF)制御との併用に関するものである。 ビームを照射する場合、その強度は一定であることが望ましい。FF制御では、粒子密度の低い取り出しの前半部ではPQを早く変化させて、粒子密度が高くなってくる取り出し後半部ではPQを緩やかに変化させる。FF制御によりスピル強度を平坦に近づけることができた。今後、それに対してFB制御を適用してFB制御に対するスピルの平坦化の検討を行う。 当日は、シンクロトロンからのビーム取り出しシミュレーションにおいてPQをFF制御した時の結果と、FB制御について述べる。