THP115  加速器技術/レーザー  8月6日 小ホール 13:00 - 15:00
SuperKEKB RF電子銃用25Hzと50Hzレーザーシステムのアップグレード
25Hz and 50Hz double-bunch laser system upgrade for RF gun at SuperKEKB
 
○周 翔宇,夏井 拓也,張 叡,吉田 光宏,小川 雄二郎(KEK/総研大)
○Xiangyu Zhou, Takuya Natsui, Rui Zhang, Mitsuhiro Yoshida, Yujiro Ogawa (KEK/ SOKENDAI)
 
高ルミノシティーを目指すSuperKEKBへのアップグレードのため、電子銃の開発・試験を行ってきた。5nCの電荷と10μmのエミッタンスの電子銃基準として、パルス長20ps、パルスエネルギーmJの矩形波形パルスレーザー光源が要求される。繰り返し2Hzと5Hzのシングルバンチに対して、Yb系レーザーシステムの開発を行っていた。生成された紫外パルスをIr5Ceカソードに導入し、5.6nCの電子ビームを得た。 パルスの繰り返す周波数は2Hz-50Hz、2バンチに切り替えられることを要求する。レーザーとして繰り返し周波数が上がるとポンプ光を照射することにより媒質が局所的に熱蓄積、レーザー光路に悪影響を与える。そして、高繰り返し、ダブルバンチに対して、レーザー光源のアップグレードを行っている。 Ybファイバー発振器・Ybファイバー増幅器及びYb:YAGのthin-disk型マルチパス増幅器により、高強度赤外光源を得る。2段階の第2高調波発生を行い、変換された紫外光源をカソードに導入する。パルス増幅効率が上がるとともに、レーザーシステムの安定化も改善した。ポンプ光源の繰り返す周波数を固定すると、熱影響とシステム条件も一致なので、シグナル光の繰り返す周波数を25Hz以下に自由に切り替えることも実現できた。 現在、25Hzレーザー光源を用いてシングルバンチの3nC及びダブルバンチの1nC電子ビームを得た。