THP111  加速器技術/レーザー  8月6日 小ホール 13:00 - 15:00
レーザーコンプトン光源のためのパルス型自発共鳴型光蓄積共振器の開発
Development of the pulsed self-start build-up cavity for laser-Compton based photon sources
 
○保坂 勇志(早稲田大理工研),赤木 智哉,浦川 順治,大森 恒彦,小菅 淳,本田 洋介(高エネ研),上杉 祐貴,高橋 徹(広島大),坂上 和之(早稲田大高等研),鷲尾 方一(早稲田大理工研)
○Yuji Hosaka (RISE, Waseda Univ.), Tomoya Akagi, Junji Urakawa, Tsunehiko Omori, Atsushi Kosuge, Yosuke Honda (KEK), Yuuki Uesugi, Tohru Takahashi (Hiroshima Univ.), Kazuyuki Sakaue (WIAS, Waseda Univ.), Masakazu Washio (RISE, Waseda Univ.)
 
レーザーコンプトン光源はレーザーと電子ビームの逆コンプトン散乱を利用する光源である。この光源の輝度はレーザー光の強度に依存するため、我々は大強度のレーザー光を蓄積可能な光共振器の開発を行っている。共振器にレーザー光を蓄積するには、従来、高精度な共鳴維持装置が必要であり、増大率が1万倍を越えるような共振器の開発において技術的障壁となっていた。自発共鳴型光蓄積共振器は、共振器とレーザー発振器とを一体にすることで、原理的に共鳴の維持制御を必要としない新しい方式のレーザー蓄積システムである。正帰還動作によりシステムが自発的に最適な発振モードを選択するため、外乱に敏感な狭線幅を有する高フィネス共振器においても、持続的に共鳴・蓄積を維持することができる。我々のグループではレーザーコンプトン実験のための実用的な自発共鳴型光蓄積共振器の開発を目指し、CW動作による高フィネス共振器の蓄積維持および大強度レーザー蓄積の試験と、モード同期によるパルス発振化の研究を分担し行っている。本講演では、自発共鳴型光蓄積共振器のパルス発振に向けた取り組みについて紹介する。ファイバーベースのパルス発振として一般的に行われている非線形偏波回転を用いた受動モード同期パルス発振を軸に、狭帯域バンドパスフィルター・半導体可飽和吸収体ミラーを組み合わせた試験や、光強度変調器を用いた能動モード同期の試験について報告する。