THP106  加速器技術/加速器制御  8月6日 小ホール 13:00 - 15:00
SPring-8 におけるMicroTCA画像処理システムの改良
Improvement of MicroTCA-based Image Processing System at SPring-8
 
○清道 明男,植田 倉六,増田 剛正(高輝度光科学研究センター)
○Akio Kiyomichi, Souroku Ueda, Takemasa Masuda (JASRI/SPring-8)
 
SPring-8では加速器ビーム診断系に様々なCCDカメラが使われている。画像処理システムの高度化を含めた更新を行うにあたり、次世代フロントエンド計算機の候補であるMicroTCAをベースとしてCamera Link I/Fカメラに対応する画像処理システムを開発し運用している。導入後に発覚した不具合の対策や、ホットスワップ対応など保守性を向上させるための機能追加を行い、画像処理システムを改良した。ホットスワップについてはフェイクホットプラグドライバを使用してLinuxカーネルに通知することで運用上実現した。SPring-8の運転モードによりカメラがノイズの影響を受け想定外の撮影が行われる症状が起きたが、これの改善のためにカメラのノイズ対策を行うと共に画像処理ロジックを強化した。約2ヶ月の1Hz連続運転でLinuxカーネルによりデータ収集プロセスがkillされる現象が起きたが、デバイスドライバにメモリリークを発見しこれを修正することで長期の運用安定性を実現した。本システムは2013年に蓄積リング2次元放射光干渉計へ導入した。2015年には蓄積リング入射部OTRモニターの更新で導入し、2次元フィットによるビームサイズのリアルタイム測定を実現した。今後Linacのプロファイルモニターの老朽化対策等での導入や、カメラを用いた電子バンチ計測でリアルタイム再構築を行うための高速FPGA AMCへの展開を計画している。