THP098  加速器技術/加速器制御  8月6日 小ホール 13:00 - 15:00
SuperKEKB入射器コントロールシステムの現状
PRESENT STATUS OF SUPERKEKB INJECTOR LINAC CONTROL SYSTEM
 
○佐藤 政則(KEK加速器/総研大加速器科学専攻),工藤 拓弥,草野 史郎,市川 智浩(三菱電機システムサービス),高木 誠,早乙女 秀樹(関東情報),清宮 裕史(KEK加速器),宮原 房史(KEK加速器/総研大加速器科学専攻),三川 勝彦(KEK加速器),諏訪田 剛,古川 和朗(KEK加速器/総研大加速器科学専攻)
○Masanori Satoh (KEK, Accelerator Laboratory/SOKENDAI Department of Accelerator Science), Takuya Kudou, Shiro Kusano, Tomohiro Ichikawa (MELSC), Makoto Takagi, Hideki Saotome (KIS), Yuji Seimiya (KEK, Accelerator Laboratory), Fusashi Miyahara (KEK, Accelerator Laboratory/SOKENDAI Department of Accelerator Science), Katsuhiko Mikawa (KEK, Accelerator Laboratory), Tsuyoshi Suwada, Kazuro Furukawa (KEK, Accelerator Laboratory/SOKENDAI Department of Accelerator Science)
 
 現在,KEKでは,KEKB加速器で到達した40倍のピークルミノシティーを目指し,SuperKEKB加速器の建設を進めている。本加速器では,このような高いルミノシティーを達成するため,蓄積電流値の倍増および衝突点での極小ビームサイズの実現を設計基盤とした,ナノビーム方式を採用している。ナノビーム方式では,主リングでのビーム寿命が極端に短いため,トップアップ入射は元より入射ビームのバンチ電荷量増強が必須となる。電子(陽電子)ビーム入射に要求されるバンチ電荷量は5 nC (4 nC)であり,KEKB入射器と比較して約5倍のバンチ電荷量が求められている。一方,ナノビーム方式を採用した主リングの低エミッタンス化にともない,入射器ビームの垂直方向エミッタンスは,従来の1/5である20 mm・mradが必要とされる。とりわけ電子ビームについては,ダンピングリングを用いずに低エミッタンスビーム入射を実現する必要があるため,高度なビーム制御技術が要求される。これらの要求を満足するため,新方式の光陰極RF電子銃を始めとした種々の技術開発が進められてきた。これと平行して,ビーム運転の可用性を高めるため,制御システムの高度化を推進してきた。本稿では,入射器アップグレードにともなう,ビーム制御システムの現状および今後の展望について報告する。