THP072  加速器技術/電磁石と電源  8月6日 小ホール 13:00 - 15:00
次世代高温超伝導サイクロトロンのためのセクター磁石の設計
Design of Sector Magnets for Next Generation High Temperature Superconducting Cyclotron
 
○鎌倉 恵太,畑中 吉治,福田 光宏,依田 哲彦,植田 浩史,森信 俊平,齋藤 高嶺,永山 啓一,田村 仁志,安田 裕介(大阪大学RCNP)
○Keita Kamakura, Kichiji Hatanaka, Mitsuhiro Fukuda, Tetsuhiko Yorita, Hiroshi Ueda, Shunpei Morinobu, Takane Saito, Keiichi Nagayama, Hitoshi Tamura, Yusuke Yasuda (RCNP, Osaka University)
 
我々は、次世代のサイクロトロンとして、高温超伝導電磁石を用いた小型でハイパワー(高エネルギーかつ大電流)な分離セクター型サイクロトロンを提案している。高温超伝導サイクロトロンは、その安定性の高さと運転コストの低さから、加速器駆動未臨界炉(ADSR)や粒子線癌治療への応用が期待される一方で、様々な解決すべき課題を残して未だ実現に至っていない。その第一歩として当センターサイクロトロン施設に、世界初となる高温超伝導サイクロトロンを、既存のK400リングサイクロトロンの入射器として開発・導入する計画が進められている。本計画は当施設におけるビームの大強度化に資するとともに、将来における次世代サイクロトロンの要素開発を行うものである。最も大きな課題となるのはメートル級の高温超伝導コイルの開発と、入射・引出効率の高い分離セクターサイクロトロンのための技術開発である。これまで我々は新入射器の概念設計及びセクター磁石の設計を進めてきた。磁場計算と軌道計算、KBKR磁場分布解析法などを組み合わせ、設計評価プログラムを考案した。これは概念設計から決めた磁石のジオメトリと各設計諸元から、加速RF位相やトリムコイル電流等の運転パラメータを最適化するプログラムである。このプログラムを用い作成した等時性磁場に於いてビームが最終軌道まで加速されることを、シミュレーションを用いて確認し、設計したセクター磁石の評価を行った。