THP053  加速器技術/高周波加速空胴  8月6日 小ホール 13:00 - 15:00
FT3L金属磁性体コアのシャントインピーダンスに対する考察
Study of shunt impedance of the FT3L Magnetic Alloy core
 
○野村 昌弘,山本 昌亘,島田 太平,田村 文彦(日本原子力研究開発機構),大森 千広,戸田 信,長谷川 豪志,原 圭吾,吉井 正人(高エネルギー加速器研究機構)
○Masahiro Nomura, Masanobu Yamamoto, Taihei Shimada, Fumihiko Tamura (JAEA), Chihiro Ohmori, Makoto Toda, Katsushi Hasegawa, Keigo Hara, Masahito Yoshii (KEK)
 
J-PARCの2つのシンクロトロン(RCS、MR)では高い加速電圧を発生させる為に、加速空胴用に金属磁性体コア(FINMET)を採用している。更に大強度の陽子ビームを加速する為には、この金属磁性体コアのシャントインピーダンスを高める事が重要である。Ring RF グループでは磁場中熱処理を行う事により、高いシャントインピーダンスを持った加速器用の大型の金属磁性体コア(FT3L)の開発に成功している。磁場中熱処理を行うことにより磁化過程が主に磁化回転となることは知られており、FT3L金属磁性体コアのシャントインピーダンスは磁化過程が磁化回転となることにより高くなっている。本発表では理想的な磁化回転の場合のコアのシャントインピーダンスに対する考察を行う。具体的には、シャントインピーダンスで表されるコアの等価回路の損失と磁化回転の場合のコアの損失の計算を対応させることにより、シャントインピーダンスに対応する物理量を考察する。更にその結果から、シャントインピーダンスのコアを構成しているリボンの板厚及び透磁率依存性を示す。