THP041  加速器技術/粒子源  8月6日 小ホール 13:00 - 15:00
背面照射における透過光型スピン偏極電子源のパルス応答性測定
Measurement of pulse response with transmission-type spin-polarized photocathodes by backside-radiation
 
○山口 健太(名古屋大学大学院 工学研究科),山本 尚人(高エネルギー加速器研究機構 KEK),保坂 将人(名古屋大学 シンクロトロン光研究センター),宮内 智寛(名古屋大学大学院 工学研究科),金 秀光(高エネルギー加速器研究機構 KEK),高嶋 圭史(名古屋大学 シンクロトロン光研究センター),加藤 政博(分子科学研究所 UVSOR)
○Kenta Yamaguchi (Graduate School of Engineering , Nagoya University ), Naoto Yamamoto (High Energy Accelerator Research Organization KEK), Masato Hosaka (Synchrotron Radiation Research Center, Nagoya University), Tomohiro Miyauchi (Graduate School of Engineering , Nagoya University ), Syuukou Kin (High Energy Accelerator Research Organization KEK), Yoshihumi Takashima (Synchrotron Radiation Research Center , Nagoya University), Masahiro Katou (Institute for Molecular Science UVSOR)
 
NEA-GaAs 型電子源は高スピン偏極度、低エミッタンス電子ビーム生成能力を兼ね備えた電子源である。また、近年我々は透過光型のNEA-GaAs型電子源を開発し、電子源背面からの励起光照射による電子ビーム取り出しを可能とした。励起光の背面照射はレーザーポインティングの不安定性によるエミッタンス劣化抑制、電子ビームと励起光用光学系の干渉抑制など様々な利点がある。我々は現在、背面透過光型電子源を用いたNEA-GaAs型電子源の時間応答性について系統的な研究を進めている。 NEA-GaAs型電子源は現在、KEKのcERLで電子源として採用されており、高エネルギー物理の将来計画としてはERLをベースとしたElectron-Ion-Colliderをはじめとした応用が期待されている。これら応用計画の特徴は大電流ビーム環境下での連続運転であり、僅かなビームロスでも従来の加速器を凌ぐ放射線が生じる。このため、ビームロスを極限まで抑えることが加速器運転において重要な課題となっている。本研究の目的の一つは上述例のようにパルスビーム生成が必須な加速器においてビームロスの原因と成り得る電子ビームのテール構造を定量化することである。 本研究では背面照射型20kV電子源と本電子銃に特化して製作したRF偏向空洞を用い、様々な条件(電子源量子効率、電子源厚さなど)で電子ビームのパルス応答性を測定している。本発表では計測装置の概要を述べ、それら計測結果について報告する。