THP034  加速器技術/粒子源  8月6日 小ホール 13:00 - 15:00
重イオン慣性核融合のためのソレノイド磁場によるレーザーイオン源の電流増加
Current Increase in Laser Ion Source using Solenoidal Magnetic Field for Heavy Ion Inertial Fusion
 
○梅澤 将充,内野 拓海,池上 京佑,高橋 一匡,佐々木 徹,菊池 崇志,原田 信弘(長岡技科大)
○Masamichi Umezawa, Takumi Uchino, Keisuke Ikegami, Kazumasa Takahashi, Toru Sasaki, Takashi Kikuchi, Nob. Harada (NUT)
 
重イオン慣性核融合では,高フラックスで低価数の重イオンを供給する必要がある.そのため,大電流のイオンを供給できるレーザーイオン源は,重イオン慣性核融合を実現するためのイオン源として期待されている.レーザーイオン源は,高強度レーザーを固体ターゲット表面に照射することで高密度プラズマを生成するため,大電流イオンビームを供給することが可能である.しかし,ドリフト距離に応じたプラズマの膨張によってプラズマ密度は減少する.そのため,高フラックスイオン源を実現するために,レーザーアブレーションプラズマの挙動制御する必要がある.そこで本研究では,プラズマ輸送部にソレノイド磁場を印加し,レーザーアブレーションプラズマの膨張を抑制することでプラズマ密度の減少を抑え,イオン電流を増加させることを目的とした.波長532 nm,照射強度108 W/cm2程度のNd:YAGレーザーを鉛ターゲットに照射することでレーザーアブレーションプラズマを生成した.レーザーアブレーションプラズマをガイドするために定常的に5 mT程度のソレノイド磁場を印加し,ファラデーカップを用いてイオン電流の測定を行った結果,イオン電流が1.5倍程度に増加することが示された.