THP026  ビームダイナミクス、加速器理論  8月6日 小ホール 13:00 - 15:00
KEK-DAにおけるSI-Thyristor Matrix Arrayにより駆動される静電入射キッカーと入射後のビーム力学
SI-Thyristor Matrix Array Driven Electrostatic Injection Kicker for the KEK Digital Accelerator and Beam Dynamics Analysis of Injection
 
○小林 寛(東京都市大学),Liu Xingung(東京工業大学),川久保 忠通(KEK),安達 利一(KEK, 総研大)
○Hiroshi Kobayashi (Tokyo City University), Xingung Liu (Tokyo Institute of Technology), Tadamichi Kawakubo (KEK), Toshikazu Adachi (KEK, SOKENDAI)
 
KEK-DAリング[1]への重イオン・ビーム入射には静電入射キッカー(ES-キッカー)[2]が使用される.入射を行う前に20 kVの高圧を予め静電キッカーの高圧電極に印加し,そこをビームが通過することでリング軌道方向に偏向する.ES-キッカーの高圧電極は同軸ケーブと繋がれており,その同軸ケーブルは共振充電電源に繋がっている.必要な電圧を同軸ケーブルに印加することにより,ES-キッカーは駆動する.また,ビームの入射後すぐに放電を行う.この放電に使用するスイッチとしてSI-Thyristor Matrix Array(SI-Thy MA)が開発され,従来のスイッチであるサイラトロンに置き換わった.開発されたSI-Thy MAは,サイラトロンの完全な代用として使用されているが,その動作特性などが報告される.SI-Thy MAのスイッチオン後,サイラトロンよりも長いリンギングが発生し,それが入射後のビームダイナミクスに影響を与え,マイクロバンチの形成に繋がることが判明した.この現象を理解するために,縦方向の空間電荷効果を含むシミュレーションプログラムを開発した.会議では,実験結果とシミュレーション結果との比較について議論する. [1] T.Iwashita et al.,"KEK Digital Accelerator",Phys.Rev.ST-AB 14,071301(2011).[2] T.Adachi and T.Kawakubo,"Electrostatic Injection Kicker for KEK-DA",Phys.Rev.ST-AB 16, 053501 (2013).