THP023  光源加速器  8月6日 小ホール 13:00 - 15:00
その場磁場測定によるSPring-8真空封止アンジュレータの減磁評価
Evaluation of Permanent Magnet Demagnetization of the SPring-8 In-vacuum Undulator by In-situ Magnetic Measurements
 
○長谷川 照晃,田中 隆次,金城 良太(理化学研究所 放射光科学総合研究センター),備前 輝彦,清家 隆光,鏡畑 暁裕(高輝度光科学研究センター)
○Teruaki Hasegawa, Takashi Tanaka, Ryouta Kinjo (RIKEN SPring-8 Center), Teruhiko Bizen, Takamitsu Seike, Akihiro Kagamihata (JASRI)
 
アンジュレータは製作過程で精密磁場調整を実施してから蓄積リングにインストールし、その上下流にある2つのステアリング電磁石を用いてわずかに残った磁場積分を補正する。補正テーブルはギャップごとに作成し、フィードフォワード制御でステアリング電磁石を操作する。これによりアンジュレータは電子ビームに対して透明化され、電子ビーム軌道とビームラインの光軸は一定に保たれる。通常、この調整はインストール時に一度実施するだけでよく、得られた補正テーブルは長期間保存される。しかし、BL10XUに設置された真空封止アンジュレータでは年に数度の更新が必要であるとともに、電子ビームのカップリングを悪化させるねじれ4極磁場が誘起されることが報告され、長期運転による減磁が疑われる状況にあった。そこで、マシン収納部にあるアンジュレータについて、再度SAFALIシステムを用いた磁場測定とムービングワイヤー法による磁場積分を測定し、永久磁石の減磁について評価した。得られた磁場分布では、アンジュレータ入口から約10周期にわたって磁場が単調に減少、つまり明らかに減磁しており、入口に近いほどその度合いは大きいことを示した。また、磁場積分の測定結果から、水平方向に広い範囲でその影響を確認した。本稿ではSPring-8で運用している真空封止型アンジュレータの磁場測定と減磁評価、及びその補正結果について述べる。