FSP031  施設現状報告ポスター  "8月5,6日" 小ホール 13:00 - 15:00
J-PARC 3 GeVシンクロトロンでの大強度運転の状況
Status of J-PARC 3 GeV Rapid Cycling Synchrotron under the high power operation
 
○山本 風海,金正 倫計(日本原子力研究開発機構 J-PARCセンター)
○Kazami Yamamoto, Michikazu Kinsho (J-PARC Center, JAEA)
 
J-PARCでは2014年夏季にイオン源の増強を行い、リニアックは設計性能のピーク電流50 mAでの運転が可能となった。3 GeVシンクロトロン(3 GeV Rapid Cycling Synchrotron, RCS)でも夏の保守作業期間に大強度ビームを受け入れるための準備作業を進め、作業後に設計最大出力である1 MW相当の出力を達成すべく調整を開始した。調整の初期段階において、800kW相当を超えた加速粒子数での運転時に高周波加速空胴の電源出力が不足し、バケツが維持できずほとんどのビームが失われる事が判明した。そのため、空胴共振点を変更し必要な電流値を下げる、電源出力の余裕分を使用しインターロックの値を見直す、等の対処を行い、年明けの調整運転時に1 MW相当の試験運転に成功した。また、供用運転としても段階的にビーム出力を増加していき、物質生命科学実験施設(MLF)に向けて500 kWの出力での連続運転を達成した。本件では、このような大強度運転を達成するためにRCSで実施した作業内容と、大強度運転条件の下での加速器の状況について報告する。