FSP020  施設現状報告ポスター  "8月5,6日" 小ホール 13:00 - 15:00
大阪府大放射線研究センターにおける加速器利用研究の現状
Status of the accelerator application researches in Radiation Research Center, OPU
 
○奥田 修一,宮丸 広幸,谷口 良一,秋吉 優史,小嶋 崇夫(阪府大)
○Shuichi Okuda, Hiroyuki Miyamaru, Ryoichi Taniguchi, Masafumi Akiyoshi, Takao Kojima (Osaka Prefecture Univ.)
 
大阪府立大学(OPU)地域連携研究機構の放射線研究センターには、電子・イオン加速器があり、学内共同利用施設であると共に、学外の研究者にも照射事業を通して多目的に利用研究が行われている。施設は、このような目的に適合した汎用の装置条件を備えている。16 MeV Sバンド電子ライナックでは、独自に開発した超微弱ビームの応用、新しい非破壊検査法の開発研究、高度な放射線計測法の開発などが行われている。高強度コヒーレント放射の利用研究では、京大原子炉のLバンド電子ライナックの利用研究の結果を基に、新たな利用システムの開発が行われている。600 keVコッククロフト・ウォルトン電子加速器では、JAXAとの共同研究で人工衛星用太陽電池の劣化試験が行われ、新たに明らかになった劣化現象解明のための実験が行われている。1 MeVディスクトロンイオン加速器では、RBS、PIXEなどの基礎的な分析実験が行われ、この結果を踏まえ、原子炉材料を対象に、京大院工のイオンビーム分析実験装置の利用による分析を行っている。OPUの加速器は、2015年度KEK大学等連携支援事業で、実践的な大学院教育のために整備されている。また、放射線知識普及活動や原子力人材育成事業にも活用されている。2013年度に大学院工学研究科に新設された「量子放射線系専攻」には、前期課程21名、後期課程9名の大学院生が所属し、このうち約3分の1が加速器に関連する研究を行っている。