FSP018  施設現状報告ポスター  "8月5,6日" 小ホール 13:00 - 15:00
SPring-8加速器の運転状況
Operation Status of the SPring-8 Accelerators
 
○高雄 勝,加速器 部門((公財)高輝度光科学研究センター)
○Masaru Takao, Accelerator Div. (JASRI/SPring-8)
 
2014年度の利用運転状況は、計画利用運転時間4080時間に対し、実績4057時間48分と、利用率として99.46 % を達成した。SPring-8では利用運転中も電子ビーム入射を行うトップアップ運転を行っているが、安定なビーム入射により利用運転時間の99 %で蓄積電流値の変動は最大0.1 %(通常0.03 %)に保たれている。 SPring-8加速器は極めて安定に運転されているが、経年劣化によるトラブルが増加していることも事実である。殊に、RF関係ではここ数年クライストロン電源周りのトラブルが発生しており、2014年度はダウンタイムの過半数を占めるに至った。その対策としてクライストロン電源更新計画が進められており、電源の新規製作が終了し、今年度末以降順次更新の予定である。 また最近の利用運転において、挿入光源(ID)の影響が顕著となってきた。ID磁石列ギャップ駆動に伴う入射効率の低下やカップリングの悪化(垂直ビーム拡がりの増大)が観測されており、その対応が必須となっている。前者については、ID起因のtune shiftが主因であり、その補正を実施している。後者については、ID個別に直近に設置したskew 4極電磁石を用いて補正を行っている。 その他、SPring-8の加速器の最新の運転状況について報告する。