FROL06  加速器応用・産業利用2  8月7日 大ホール 13:00 - 13:20
小型高輝度マイクロトロンで実現するラボサイズEB滅菌・殺菌装置
The laboratory size electron beam sterilization equipment achieved by small and high brilliant microtron
 
○長谷川 大祐(近江みらくる),山田 廣成(立命館大学),山田 貴典(光子発生技研),林 太一,尾崎 健人(近江みらくる)
○Daisuke Hasegawa (Ohmi MIRRORCLE), Hironari Yamada (Ritsumeikan Univ.), Takanori Yamada (PPL), Taichi Hayashi, Kent Ozaki (Ohmi MIRRORCLE)
 
株式会社光子発生技術研究所は卓上型放射光装置みらくるの開発に世界で初めて成功した。入射器に用いているマイクロトロンの高輝度化を同時に進めてきたが、ライナックに比べて極めて高性能であることが明かとなった。そこで、従来のマイクロトロンをハイパワー化した、ビーム出力5kWの小型EB装置を開発し、滅菌・殺菌市場へ投入する。従来のEB滅菌は大出力のEB装置を用いた集約型の照射方式が取られるが、それはEB装置が大型で且つ高価であるために採用された方式である。今日では、生産ラインだけでなく研究室レベルでのEB滅菌に需要が広がり、利便性の高い小型でハイパワーのEB照射装置が求められている。 我々はマイクロトロンの磁場を不均一磁場にして、ピークビーム電流300mAを出す原理を発明し、これを実証した。そこで、パルス幅を従来の1μ秒から5μ秒に延ばし、繰り返しを1000ppsに上げることでマイクロトロンのハイパワー化を達成する。具体的には、高周波源のクライストロンの平均パワーを5kWから30kWへ増強し、冷却を強化した加速システムの開発をおこなう。開発するEB装置は生産ラインや研究室への設置を想定していること、また装置周囲の放射化を防ぐため、電子エネルギーを6MeV以下としている。