SUP093  ポスターセッション2  8月4日 豊田講堂2階ロビー 13:00 - 15:00
SuperKEKB用LLRF制御システムの開発
Development of LLRF system for SuperKEKB
 
○中西 功太,赤井 和憲,海老原 清一,小田切 淳一,可部 農志,小林 鉄也,西脇 みちる(高エネ研),出口 久城,西尾 淳一,林 和孝,春松 和孝,水野 隼一,漁師 雅次(三菱電機特機)
○Kota Nakanishi, Kazunori Akai, Kiyokazu Ebihara, Jun-ichi Odagiri, Atsushi Kabe, Tetsuya Kobayashi, Michiru Nishiwaki (KEK), Hisakuni Deguchi, Jun-ichi Nishio, Kazutaka Hayashi, Kazutaka Harumatsu, Jun-ichi Mizuno, Masatsugu Ryoushi (MELOS)
 
SuperKEKB加速器に用いるLLRF制御システムの開発状況について報告する。 前回はデジタルLLRF制御システム一式を試作し、100W程度のRFをARES空洞に供給して空洞の電圧と位相を安定に制御出来たことを報告した。 その後、クライストロンを含めた実機と同様のシステムで100kWの連続運転を実施し、問題なく運転できることを確認した。一方で、大電力を消費するクライストロンの効率を上げる必要からRF出力のレベルに合わせて変調用陽極(アノード)の印加電圧を動的に制御した場合にはクライストロンの出力位相が大きく変化し、安定に制御出来る電力範囲が制限される可能性があることも分かったため、クライストロンの位相変化を動的に補正する仕組みを追加した。 ビームアボートや空洞での放電の際に想定される空洞電圧や位相が急激な変化を検出してRFを停止するためのインターロックシステムについてもデジタル処理で対応し、前後の入出力信号を記録できる仕組みを用意した。これによりインターロック発生原因の同定がより確実になるものと期待される。 アナログ回路部分では、バンドパスフィルターの温度特性を見直すことで通常の空調環境でも空洞の電圧と位相が安定に制御できるように性能が改善された。 実機運用時には多数のLLRF制御システムが同時に運用され、ソフトウェア、ハードウェアの更新や交換が必要になることから、保守のための仕組みについても考慮した。