SUP084  ポスターセッション2  8月4日 豊田講堂2階ロビー 13:00 - 15:00
SPring-8線型加速器ビーム位置モニター用同期データ収集システムの更新
Upgrade of the event-synchronized data acquisition system for the SPring-8 linac BPMs
 
○増田 剛正,植田 倉六,清道 明男,松本 崇博,柳田 謙一((公財)高輝度光科学研究センター)
○Takemasa Masuda, Souroku Ueda, Akio Kiyomichi, Takahiro Matsumoto, Kenichi Yanagida (JASRI)
 
SPring-8線型加速器では、トップアップ運転時のビーム監視機能を強化するため、非破壊ビーム位置モニター(BPM)の六電極化を進めている。六電極BPMの導入によりビームの二次モーメントが測定出来るようになり、ビームの広がりに関係する物理量が得られるようになる。昨年度、六電極BPMの導入開始に合わせて、ガントリガに同期してシングルショットで線型加速器の全BPMデータを収集しデータベースに書き込む同期データ収集系の更新を行った。旧来の四電極型に比べて信号数が1.5倍に増える六電極BPM信号処理回路との取り合いを同一実装スペースで行う必要があったため、新規に光伝送ボードシステム用128ビットデジタル入力ボードを開発した。高速実時間データ転送と6台のVME計算機間でのソフトウェア同期制御を実現するために使用している共有メモリネットワークボードとして、新たにリフレクティブメモリボードを導入し、これに対応するようソフトウェアフレームワークを更新した。また、VME計算機に新たにマルチコアCPUボードを導入し、実時間スケジューリングで動作するソフトウェアの運用の安定化と、busy-wait処理の導入等による光伝送ボード用デバイスドライバの高速化を実現した。システム更新の結果、信号数が1.5倍に増加したにもかかわらず、旧来の約1/8のデータ収集時間(144点で16msec以内)に短縮することが出来た。