SUP073  ポスターセッション2  8月4日 豊田講堂2階ロビー 13:00 - 15:00
スクリーンモニターにおける真空内空間マスクを用いたCoherent-OTR光除去の改良
Improvement to eliminate Coherent-OTR light for the screen monitor of SACLA
 
○松原 伸一(高輝度光科学研究センター),前坂 比呂和(理研 放射光科学総合研究センター),井上 忍(スプリングエイトサービス(株)),大竹 雄次(理研 放射光科学総合研究センター)
○Shin-ichi Matsubara (JASRI), Hirokazu Maesaka (RIKEN SPring-8 Center), Shinobu Inoue (SPring-8 Service Co., Ltd.), Yuji Otake (RIKEN SPring-8 Center)
 
SACLAのスクリーンモニター(SCM)システムにおいて、スクリーンからCoherent-OTR(COTR)光が発生して電子ビームのビームプロファイルを測定できない問題があり、その対策について昨年の加速器学会で報告した。そこでは、Ce:YAGスクリーンからの電子ビーによる蛍光の広い拡がり角とCOTR光の1/γ radと小さい拡がり角の差により、空間遮光マスクでCOTR光を除去する方法の有効性を示した。しかし、昨年のSCMチャンバの外にマスクを置く方式では、チャンバ内で乱反射したCOTR光の成分が迷光となり現れた。そこで、蛍光をカメラに導くための空間マスクの機能を持つ穴あきミラーを真空チャンバ内に設置することで、チャンバ内でCOTR光を除去して迷光を減らすことを考案した。一方、他の機関では、100 nsの蛍光時間とバンチ長と同じ1 ps以下のCOTR光の発光時間差を利用し、高速カメラにより時間領域で分離してプロファイルを測定する方法が採用されている。今回、穴あきミラーを用いた測定法と高速カメラを用いた測定法との比較を行ない、穴あきミラー方式での測定の正当性を確かめた。高速カメラは高価なため多くのSCMに適用することは難しいが、我々の穴あきミラー方式は既設SCMに穴あきミラーを用いる軽微な改良で行える。これにより、40台を超えるSACLAの既設SCMシステムにおいて、COTR光を除去してビームプロファイルを測定することができる。