SUP038  ポスターセッション2  8月4日 豊田講堂1階アトリウム 13:00 - 15:00
J-PARCイオン源の運転状況
Operation Status of the J-PARC Ion Source
 
○大越 清紀,池上 清,小泉 勲,上野 彰,高木 昭,山崎 宰春,小栗 英知(J-PARCセンター)
○Kiyonori Ohkoshi, Kiyoshi Ikegami (J-PARC Center), Isao Koizumi, Akira Ueno (J-PARC Center ), Akira Takagi (J-PARC Center), Saishun Yamazaki, Hidetomo Oguri (J-PARC Center )
 
東日本大震災復旧後のJ-PARCイオン源は、特に大きな故障等も無く順調にビーム供給を行っている。J-PARCはビーム利用運転の稼働率向上のため、運転サイクルを1ヶ月から50日に延伸したと昨年報告したが、イオン源ビーム電流はLaB6フィラメントの寿命を考慮して50日連続運転の実績がある19mAに制限していた。今年1〜2月の利用運転では、ユーザーからビーム電流増加の要望があったため、ビーム電流を22mAに上げて運転を行ったが、運転47日目にフィラメントが断線した。断線の約10時間前にフィラメント電流減少率の急増が観測され、これをフィラメント断線の予兆と判断してフィラメント交換のための準備を整えていたため、深夜に断線が発生したにもかかわらずフィラメント交換作業と調整運転がスムーズに進み、断線から約8時間後には利用運転を再開できた。また、4月に3GeVシンクロトロンのスタディのために約30mAでの運転を8日間連続で行い、スタディ中はイオン源調整することなく最後まで安定にビームを供給することができた。  J-PARCビーム増強計画の一環として行っている50mA用初段加速部の性能確認を行うために、イオン源とRFQで構成される初段加速部テストスタンドの構築を平成25年より着手した。近日このテストスタンドを利用して高周波型負水素イオン源の実用化試験を行う予定である。本学会では、J-PARCイオン源の運転状況及び初段加速部テストスタンドの整備状況について報告する。