SUP034  ポスターセッション2  8月4日 豊田講堂1階アトリウム 13:00 - 15:00
ERL第二電子銃の開発状況
Construction of the 2nd 500 kV DC gun at KEK
 
○山本 将博,宮島 司,本田 洋介,内山 隆司,小林 正典(高エネ研),西森 信行,永井 良治,松葉 俊哉,羽島 良一(原子力機構),栗木 雅夫(広島大),桑原 真人(名古屋大),吉田 肇(産総研),栗巣 普揮(山口大)
○Masahiro Yamamoto, Tsukasa Miyajima, Yosuke Honda, Takashi Uchiyama, Masanori Kobayashi (KEK), Nobuyuki Nishimori, Ryoji Nagai, Shunya Matsuba, Ryoichi Hajima (JAEA), Masao Kuriki (Hiroshima Univ.), Makoto Kuwahara (Nagoya Univ.), Hajime Yoshida (AIST), Hiroki Kurisu (Yamaguchi Univ.)
 
昨年10月にJAEAで先に開発が進められてきた500kV電子銃がコンパクトERL(cERL)の入射器ラインにインストールされ、今年4月より入射器運転がスタートした。現在は小電流での試験が行われているが、今後、段階を経て大電流化が図られる予定となっている。大電流化に伴い、光陰極の寿命問題をはじめとする電子銃が現在抱えている克服すべき課題が明確となり、その問題に対して講じる対策を今後のcERL運転を通して検証し、一つずつ克服していくことになる。 第二電子銃は、cERL入射器の500kV電子銃のバックアップ機の役割の他に、電子銃が抱える問題解決のためのR&Dを進める役割も担う。特にcERL運転とは独立している第二電子銃では、トラブルが発生するリスクの高い開発を担う役割が大きい。第二電子銃では、具体的には以下のような工夫や装置開発を進めている。 具体的には、カソード-アノード間の暗電流を検出できる、絶縁されたアノードの設置、電子銃下流で生成した低エネルギーの正イオンが電子銃へ逆流しないように、アノード後方に別途プラス電位が印加できる電極を配置している。また、電子銃内部で発生するイオンの生成を抑えるため、徹底した低アウトガスの真空設計を行い、全ガス放出速度を1×10^-10 Pa m3/s(水素換算)以下に抑えた。電子銃運転時に10^-10 Paの圧力を維持することを目標としている。発表では、ERL第二電子銃の開発状況および拡張的な機能の詳細について報告する。