SUP025  ポスターセッション2  8月4日 豊田講堂1階アトリウム 13:00 - 15:00
マイケルソン干渉計と検波器を用いたコヒーレント遷移放射光FT-THz分光法の開発
Development of the coherent transition radiation FT-THz spectroscopy based on Michelson interferometer with RF detector
 
○立花 充章,熊木 雅史,坂上 和之,鷲尾 方一(早大),黒田 隆之助,平 義隆,豊川 弘之,山田 家和勝(産総研)
○Mitsuaki Tachibana, Masafumi Kumaki, Kazuyuki Sakaue, Masakazu Washio (Waseda Univ.), Ryunosuke Kuroda, Yoshitaka Taira, Hiroyuki Toyokawa, Kawakatsu Yamada (AIST)
 
 近年のTHz技術の進歩により、THz領域での物質固有の指紋スペクトルの存在が確認され、安心安全応用など様々な産業応用が期待されている。これまで産総研ではSバンド小型リニアック施設によって生成した超短パルス電子ビームを用いて、コヒーレント放射を利用した高強度THz波の生成とイメージング応用を行ってきた。  本研究では、テラヘルツ領域でのマイケルソン干渉計を構築し、THz波の分光技術を確立することが目的である。光学遅延による波の干渉の変化(インターフェログラム)を測定し、高速フーリエ変換(FFT)により周波数スペクトルを得ている。サンプルの有無でスペクトルを測定することにより、サンプル特有のTHz領域での吸収・透過のピークを得ることが出来る。  また、本研究ではTHz波を発生させるためにコヒーレント遷移放射光(CTR)を用いている。電子ビームが金属などの境界を通過し、その電場により金属境界面が分極させることで電磁波が放射される。特に、パルス幅を1ps以下にすることで、THz領域のコヒーレント遷移放射が発生する。  現在、インターフェログラムのバックグラウンドや多重反射等の低減のためにアクリル製の水セルを用いたTHz波の遮蔽材の作製を行っている。また、より高いTHz波を計測できるように検波器の広帯域化を進めている。本年会ではこれらの結果を報告する。