SUP002  ポスターセッション2  8月4日 豊田講堂1階アトリウム 13:00 - 15:00
異方性を持つ固体プラズマによる電子ビーム収束
Electron Beam Focusing by an Anisotropic Solid-State Plasma
 
○小方 厚,菅 晃一,法澤 公寛,近藤 孝文,楊 金峰,吉田 陽一(阪大産研)
○Atsushi Ogata, Koichi Kan, Kimihiro Norizawa, Takafumi Kondoh, Jinfeng Yang, Yoichi Yoshida (ISIR, Osaka U.)
 
フェムト秒 - アト秒台のバンチ長を持つ電子ビームの実現が近づいている.しかし多くの場合バンチ径はバンチ長より一桁大きい.そこでバンチ長程度のバンチ径を実現する方法を提案する.気体プラズマによる電子ビーム収束は水平・垂直二方向に同時に有効で,大きな収束力を持ち,すでに FFTB 等で多くの実績がある.しかし,気体プラズマを高真空ビームラインに導入するのは幾多の技術的な困難をともなう.そこで,固体プラズマによるビーム収束を検討中である.ただし,プラズマは下記の矛盾しあう2つの条件をみたさなければならない.第一は,プラズマの反応時間 (プラズマ周波数の逆数程度) がバンチ長より十分小さいことであり,第二はビームの帰還電流がビームの外を流れることである.第二の条件はプラズマ表皮長 (やはりプラズマ周波数に反比例する) がバンチ径より大きいことを要求する.この矛盾は,ビーム径方向と軸方向で異なるパラメータを持つ固体プラズマを用いることで解消する.具体的には,固体プラスマとして黒鉛を用い,その層をビーム軸と垂直に配置する方法で,現在実験を準備中である.