SUOTL1  技術研修会1  8月4日 豊田講堂ホール 9:00 - 10:00
加速器における電子管技術(1)
Electron Tube Technology in Accelerator(1)
 
○福田 茂樹(高エネルギー加速器研究機構)
○Shigeki Fukuda (High Energy Accelerator Research Organization)
 
昨今、電子管は半導体に押されて影は薄くなり、扱う製品も減少の一途をたどっている。しかし加速器の分野では代替えの効かない電子管の使用例はまだまだある。それは大電力のマイクロ波の分野において顕著である。講演者は電子線形加速器関係であるので主にそれに関連した分野から今も必須の電子管にまつわる技術的なことをお話しする。 まず概略から始め、大電圧SW素子として使用されているサイラトロンについて述べる。サイラトロンは大電力の電流パルスを発生させるうえで非常によく用いられている。一方でこれを製造する会社が少なくなり、数少ない会社の製品も性能に問題があったりする。不良品をつかまないためにはどのような注意が必要かなど述べたい。今後のこの分野の技術の見通しについても触れる。次に平均電力の大きいマイクロ波を発生する(主にCW波)、Induction Output Tube(IOT)やクライストロンについて技術的な説明を行う。この辺は出力によっては半導体増幅器 に置き換えられつつある。その辺の切り替えのボーダーラインはどの変化、採算レベル及び今後の見通し等についても考察する。