SUOT02  ハドロン加速器2  8月4日 豊田講堂ホール 10:30 - 10:50
J-PARC MR 遅い取り出しにおける運動量ロスとその対策
Momentum loss during slow extraction in the J-PARC MR and its countermeasures
 
○田村 文彦,大森 千広,山本 昌亘,吉井 正人(J-PARC センター),シュナーゼ アレクサンダー(GSI),野村 昌弘,冨澤 正人(J-PARC センター)
○Fumihiko Tamura, Chihiro Ohmori, Masanobu Yamamoto, Masahito Yoshii (J-PARC center), Alexander Schnase (GSI), Masahiro Nomura, Masahito Tomizawa (J-PARC center)
 
J-PARC MR での遅い取り出しにおいては、陽子ビームをデバンチさせるためにRF電圧をオフにする必要がある。ビームが十分にデバンチするまでの間、空胴のインピーダンスにより、加速ギャップにウェーク電圧が発生し、ビームは運動量を失う。J-PARC MR では比較的低いビームパワーでも 有意な運動量ロスを観測している。運動量のロスが大きくなると、クロマティシティの効果によりチューンの広がりが大きくなり、取り出し効率を 下げる原因となることが判明している。高い取り出し効率を保ちつつビームパワーを上げるためには、デバンチ過程での運動量ロスの低減が必須である。本発表では、運動量ロスの実際について報告するとともに、その対策について報告する。RF フィードフォワード法を用いたビームローディング補償により、20kW のビームパワーにおいても運動量ロスを大幅に低減させることに成功し、99.5%の高い取り出し効率を達成した。