SUOT01  ハドロン加速器2  8月4日 豊田講堂ホール 10:10 - 10:30
J-PARC遅い取り出しの誤動作ショット
Accident of J-PARC Slow Extraction Operation
 
○冨澤 正人,岡村 勝也,中川 秀利(高エネルギー加速器研究機構)
○Masahito Tomizawa, Katsuya Okamura, Hidetoshi Nakagawa (High Energy Accelerator Research Organization)
 
J-PARCメインリングからの遅い取り出しによるハドロン実験施設への利用運転期間中の2013年5月23日11時55分に、取り出し電源系の誤動作により約5ミリ秒という短い間に3x10^13個の陽子ビームの2/3が取り出された。通常は2秒にわたってゆっくりと取り出される。想定を超える短時間にビームが一挙に金標的に照射されたために、金標的の熱除去がおいつかず、一部が蒸発したと考えられている。その後の施設内外への放射能漏洩、実験者の被爆もあり報道で大きく取り上げられた。 本発表では、誤動作ショットで具体的に何が起こったのかを詳しく解説し、短時間でビームが取り出されたメカニズムをシュミレーションを含めて紹介する。また、電源誤作動の調査状況と誤作動防止対策についても報告する。