SUOS06  電子加速器2/光源加速器2  8月4日 シンポジオン会議室 11:50 - 12:10
高速な検出器を用いたFELパワーの測定
Measurement of FEL power using a fast detector
 
○藤本 將輝,加藤 龍好,川瀬 啓悟,入澤 明典,大角 寛樹,矢口 雅貴,船越 壮亮,堤 亮太,磯山 悟朗(阪大産研)
○Masaki Fujimoto, Ryukou Kato, Keigo Kawase, Akinori Irizawa, Hiroki Osumi, Masaki Yaguchi, Sousuke Funakoshi, Ryouta Tsutsumi, Goro Isoyama (ISIR, Osaka University)
 
我々はFEL増幅率の評価を目的とし、高感度な検出器を用いてテラヘルツ自由電子レーザー(THz-FEL)のパワーの時間発展を広い強度領域で測定する手法を開発している。これまで約5桁にわたるダイナミックレンジをもつSiボロメータを用い、増幅回数を変えながら発振したFELパルスのエネルギーを計測し、共振器FELの時間スペクトルモデルを用いてパワーの成長過程を求めてきた。現在では回帰分析を用いてさらにノイズに埋もれた低強度の信号を復元し、約9桁にわたるエネルギーの変化を計測することに成功しており、FELパワーの成長を自発放射からパワー飽和まで測定することが可能となった。一方、数sのFELパルスに対して十分に速い応答速度をもつGe:Ga検出器を用いてFELパワーの時間発展を測定する。Ge:Ga検出器はSiボロメータに比べてダイナミックレンジが小さい。このためFEL発振波長(~100m)で減衰率を較正したテフロンブロックを減衰材とし、厚みを変えながらFELパルスを計測する。そして、各波形を重ねることでFELパルスの成長過程を得た。Ge:Ga検出器を用いた測定ではアンプを用いることで、ボロメータと同様に自発放射からFELパワーの時間発展を計測することが可能となった。本報告では、SiボロメータとGe:Ga検出器によって測定したFELパワーの時間発展の比較を行うとともに、FEL増幅率の時間変化を求める。