SUOS04  電子加速器2/光源加速器2  8月4日 シンポジオン会議室 11:10 - 11:30
位相空間制御による THz 帯マイクロバンチ生成の研究
Research on THz-band micro-bunch generation by phase-space control
 
○大槻 祥平(東京大学原子力国際専攻),栗木 雅夫(広島大学先端研)
○Shohei Otsuki (NEM, Tokyo Univ.), Masao Kuriki (AdSM, Hiroshima Univ.)
 
本研究ではTHz帯SEED-FEL,および誘電体加速の実現を念頭に,既存の技術を応用して, THzからPHzの周波数帯に極めて等間隔に並ぶ短バンチ群を,3から4 m 程度の小型装置によって実現できることを証明する.この手法では現在研究されている短パルスレーザーの高繰り返しによる連続したバンチを発生とは異なり, x方向にモジュレーションを与えた単独のビームバンチに,特定の位相空間制御を与えることによって, 進行方向にTHz帯の周波数で連なる離散構造を生成する.例えば本手法では1 pC 程度の電荷をもつマイクロバンチを幅 10 fs, 繰り返し周波数 10 THz, また各マイクロバンチのピーク電流 140 A の実現は容易であるが, これらは前述のバンチの連続発生のパラメータと比較して数オーダー優れており,装置もコンパクトである.本研究ではこの時にバンチ内部に形成される進行方向の離散構造をマイクロバンチと定義し,行列計算と 3次元荷電粒子トラッキングシミュレーションによってマイクロバンチの生成が可能であることを明示する.応用する位相空間制御はx−zエミッタンス交換と呼ばれ,FELの実現を念頭に考案されたもので,同手法では初期のx方向の位相間分布が特定の傾向をもって最終的なz方向の位相空間分布に射影されるため,初期のx方向にバーコード状の離散構造を形成することによって,マイクロバンチ生成が可能となる.